2014年6月10日火曜日

実務者360人の意識調査にみる現場の実態

 図面は、設計情報を伝達する媒体だ。設計側は設計意図を図面に記載し、施工側は図面から設計意図を読み取り、建築物へと仕上げる。品質確保には、一連の流れがスムーズに進むことが望ましい。その要は、図面の完成度にある。

 図面の品質について「非常に低下している」または「どちらかというと低下している」との回答は55.5%と半数を超えた〔Q4〕。見逃してはならないのは、施工側の回答だ。職種別にみると、「低下している」と回答したのは、意匠設計が40.0%だったのに対し、施工管理は70.0%に達した。


 具体的に図面の品質が十分ではないと思う点は何か。施工者側から相次いだのは「あいまいな設計図」や「つくれない設計図」など、設計者が作成する図面の質を問題視する声だった〔Q6〕。


 「設計図が確認申請を通すことだけ考えて描かれており、後で設計変更をして対応しようとしている」(40歳代、総合建設会社、施工管理)、「最近の設計図はスケッチ以下。性能発注と言うが、実際は細かい納まりを描けないだけだ。最初から設計するような施工図を要求される」(40歳代、総合建設会社、施工管理)といった声が寄せられた。


 「CAD化の弊害」や、「コピペ設計の増加」を挙げる回答も目立つ。「詳細の検討が不十分。メーカーの図面のコピーを当てはめ、現場に合致していない」(40歳代、総合建設会社、施工管理)。十分に図面を吟味しないまま、現場に流れている実態が浮かび上がる。そのしわ寄せが施工の現場に出ているのだ。続発するトラブルは、施工者だけの問題ではない。


                    ケンプラッツ


 設計事務所に勤めていた若いころ、知識・経験・技術力がないために、現場に行くのが怖かったことを覚えています。それでも自分の書いた図面が理解され、現場がスムーズに進んで竣工すると嬉しかったりもしました。
 設計者は現場へ足を運んで現場の声を、施工者は設計者の声を、お互いに聞くことが大切ではないでしょうか。